物書き健児

物書きに大切なのは健康である。

二次創作のアイディア出しについて(野伏第一部)


作品書くときの具体的なアイディア出し方

二次創作に登場させたオリジナルキャラクターのモチーフやモデルなどをちょっとメモ。こうした記録ってなかなかない気がするので、参考程度にどうぞ。

 

この記事は作品投稿SNSで私の作品を読んでくださってる方を想定して書いています。かいたものは年齢制限があるのでリンクは載せませんが、作品を見ていなくてもわかるように書いてみます。

 

主人公エリカ

二次創作を始めたばかりの頃は、「なんでもないモブ」を主人公にしてみようと考えました。いわゆる「物語の中に入ってみたらどうなるだろう」という実験感覚でやっていたので、物語の扱い方としては異世界転生ものとさほど変わらない気もします。

本来の主人公たちのように魔王と戦う力はないけど、雑魚敵を追っ払う程度の事はできるくらいの力は持たせました。

 

作品を書くにあたって、「この話のメインとなる人物と日常でときおり関わりを持つキャラクターにしよう」と考えた結果、「雑貨屋の店員」という立ち位置になりました。

 

店員ですが愛想のいい女性ではなく、自分から売り込みをかけていくタイプの人間でもありません。そして夕方近くになると誰かの所にいたとしても大急ぎで飛んで帰る、というアイディアを入れました。

例えばディズニー作品、特にシンデレラやピーターパンを見ていると夜の食事会や舞踏会に行く場面がありますよね。夜から朝までを睡眠時間にあてたのでなく、夜間に交流の時間を設けていたという話があるのでこうした習慣を下敷きにしてます。

 

夕方に姿をくらますというネタは、元々は「葛城の神」です。「枕草子」で顔や手をあらわにすることを恥じ、清少納言は仕事を始めた当初は夜の間だけ出仕したそうです。

女房とは風雅の塊のような存在かと思いましたが、実際は主人の周りに控えて素早く返歌をしたり客の対応をするなど敏腕受付のような立ち位置です。おっとりしていたらあんまりつとまらないお仕事のようですね。

さてさて、そんな恥ずかしがり屋の清少納言に対し、主人である中宮定子が「葛城の神じゃないんだから、恥ずかしがらずに朝までいなさいな」と声をかけたエピソードが浮かびました。(実際の葛城の神は、姿が醜いのを恥じて夜だけ働きました)

 

そこで属性を切り替えて、「昼間だけ働き、夜になるととにかく振り切って飛んで帰る」というキャラクターにしてみました。お茶に誘ってもうまい具合に逃げてまわることで、「逃げる理由」を考える必要があり、面白いと思ったのですね。また、主人公は美人に設定しませんでした。絶世の美女というのはキャラクターとして動かすのが非常に難しいのです。

 

キャラクターの性格や小ネタ

エリカはお嬢さんでもなく、おしとやかでもありません。人間に積極的にかかわるのがめんどくさいので、仕事を持ち込まれたら引き受けますがビラ配りに出るようなタイプではないです。当初は仲間とバクチや煙草をたしなむ設定も入れようとしていましたが話の本筋に絡まないのでやめました。

 

設定した世界では、人々に害をなすマモノの討伐は王国がやっています。しかし雑魚軍団についてはいちいち軍を出すだろうかとか、多少は各村で防衛してねという話になっていると考えました。

そうした中で当然自分たちでは討伐出来ない村や街が出てきます。そうなれば、一定の報酬を払って野伏たちに仕事を依頼するしかなくなるわけです。(この辺りはモンハンを意識しています)

 

野伏は野山を歩いたりするので、どのあたりにマモノがいるかわかっていますし、一匹見せしめにぶっ叩いて追っ払うのがメインの仕事のようです。

そうした仕事がない時は木工細工で日用品を作ったり、竹を細工して売り歩いたりするなど山の人々として生活しています。

 

エリカはよく盾サーフィンをやっており、山の斜面をスピンしながら滑り降りてマモノたちの顔面を蹴飛ばしてるそうです。マモノ達も報復しようとしているそうですが、彼女から恐ろしい気配がいつも立ち上っているので何も出来ずにすごすごと帰っていきます。

差別など

だいたい湿地や山林の近くに住んでいます。設定では闘技場や牢獄のある城下町西側に野伏は賀楽多堂を構えています。実際京都も、帝が南側を背にしたときに右手側を右京とし(要は西側)左手側を左京とした(都市の東側)ことをヒントにしています。

 

実際京都では、西側が湿地帯となり、洪水の被害もあって疫病が流行していました。左京の方がよい土地、右京は住むのに適さなかったそうなのでそこを野伏の住処としました。でも彼らにとっては都合がよかったのです。人が寄り付かない土地ならば、たとえ正体を現してのたうち回っていたとしても目撃されにくくなります。

 

王は内心「居住許可するにしても、あんな土地で大丈夫だろうか」と思っていましたが、野伏としてもちゃんと理由があったのです。

 

ちなみにマモノと直接やりあっているということは、それだけ力が強いわけなので一般国民の一部からは恐れられ嫌われています。それでも生活のためには頭を下げなくてはいけないため(やはりマモノはこわいし、討伐出来ないから)そうしたこともあってあまり好かれていません。

 

それでも野伏が粛々と仕事をして生きていこうとするのは、国民らが徒党を組んで攻撃活動をしないためです。

まとめ

キャラクターを作るときはいろんな古典や映像作品からイメージを膨らませます。

古典やおとぎ話で出てきたネタを「反対にしてみたら」と考えたりして話を続けていけるようにします。

 

お話を書くとき「次の話が気になる」ように語っていくとなんとか話が続く気がします。「このキャラクターはどうして逃げるように帰るのか」といった「引っ掛かり・疑問」を作り出すときに古典の型やアイディアを使うとうまく行くみたいです。

 

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まんがで読む枕草子 (学研まんが日本の古典) [ 東園子 ]

古典文法からきしダメなので大体こういったマンガでネタ仕入れる。

マタギ・アイヌの話をよくまとめていると思う。で、おもしろい。

 

平安京はかなりハチャメチャ。